誰でも簡単に仮想環境を構築できる便利なツール「WSL2」。
このWindows Subsystem for Linux 2(WSL2)は、Windows上でLinux環境を手軽に利用できるようにするためのものです。
今回は、WSL2の導入から便利なコマンドの使い方までを詳しく解説します。
WSL2の導入環境
動作要件をまとめておきます。
- OS要件:Windows 10 バージョン 2004 以上 (ビルド 19041 以上) または Windows 11
Windows11の場合は何もしなくても使えます。
詳細は以下のリンクを確認してください。
今回の検証環境をまとめておきます。
- OS:Windows11ProforWorkstations
- CPU:intel i9 9900k
- メモリ:8GB
- ストレージ:M.2 SSD 256GB
WSL2の導入
WSL2をインストールするには「Windows PowerShell」でインストールしていきます。
Windows11の場合は「ターミナル」アプリを起動してください。
Windows10の場合はターミナルアプリがデフォルトでは無いので「Windows PowerShell」から起動するか、ターミナルアプリを「Microsoft Store」からインストールしてください。
※ここでは、Windows11のやり方をメインに紹介します。
起動後、以下のコマンドを実行してください。
PS C:\Users\remylog> wsl --install
インストールが完了したら、パソコンを再起動します。
再起動後、ターミナルを起動します。
プラスの右側にある「∨」マークをクリックすると、下の方に「Ubuntu」が表示されます。
これで導入完了です。
WSL2を使ってみる
早速使ってみましょう!
初回起動はユーザー名とパスワードを作る必要があります。
ターミナルからUbuntuを選択してください。
ユーザー名とパスワードをそれぞれ入力してEnterキーを押します。
完了するといつものUbuntuのコンソール画面になると思います。
これで作業完了です。
WSL2の便利なコマンド集
ここからはWSL2を使っていく上で便利なコマンドや機能の使い方を紹介していきます。
スナップショットの作成
システムが壊れた時に再度設定するのはめんどくさいですよね。
その場合は、壊れる前にスナップショットを作成しておけば壊れた時に復元することですぐにシステムをもとに戻すことができます。
スナップショットを作成する前に、それらを保存するディレクトリを作成します。
今いるディレクトリを確認します。
PS C:\Users\remylog> pwd
Path
----
C:\Users\remylog
今回はホームディレクトリにwslフォルダーを作成してその中に「wsl_snap」フォルダーを作成します。
PS C:\Users\remylog> mkdir wsl\wsl_snap
仮想環境名を確認します。
PS C:\Users\remylog> wsl -l -v
NAME STATE VERSION
* Ubuntu Stopped 2
実行すると NAME・STATE・VERSION の3項目があります。NAMEの部分が仮想環境名になります。
先ほど確認した仮想環境名を以下のコマンドを参考に入力して実行してください。
PS C:\Users\remylog> wsl --export [仮想環境名] [スナップショット保存先]
↓コマンドの例↓
PS C:\Users\remylog> wsl --export Ubuntu wsl/wsl_snap/xxxxxxxxxxx.tar
スナップショット保存先を確認するとしっかり作成されていることがわかります。
スナップショットから仮想環境の作成
先ほど作成したスナップショットから仮想環境を作成する方法を紹介します。
仮想環境ファイルを保存する場所を作成します。
PS C:\Users\remylog> mkdir wsl/wsl_data
作成できたら、仮想環境を作成します。
PS C:\Users\remylog> wsl --import [仮想環境名] [仮想環境ファイル置き場] [スナップショット名]
PS C:\Users\remylog> wsl --import snap_ubuntu wsl_data/snap_buntu wsl_snap/xxxxxxxxxxx.tar
処理が終わったら、以下のコマンドを実行して正しく作成されているかを確認します。
PS C:\Users\remylog> wsl -l -v
NAME STATE VERSION
* Ubuntu Stopped 2
snap_ubuntu Stopped 2
しっかり追加されました。
ターミナルを再起動すると追加されています。
このまま使用すると「root」での起動になるので少し設定を変更します。
プラスの右側にある「∨」マークをクリックして「設定」を選択します。
先ほど作成した仮想環境を選択します。
そして「コマンドライン」をクリックしてコードの後ろに「–user [ユーザー名]」を追加します。
C:\WINDOWS\system32\wsl.exe -d snap_ubuntu --user [ユーザー名]
変更できたら右下の保存をクリックして閉じます。
再度、プラスマークから作成した仮想環境を選択すると、指定したユーザーで起動できます。
不要な仮想環境を削除
不要になった仮想環境を削除する方法を紹介します。
最初に今ある仮想環境の一覧を表示します。
PS C:\Users\remylog> wsl -l -v
NAME STATE VERSION
* Ubuntu Stopped 2
snap_ubuntu Running 2
今回は2つ目の「snap_ubuntu」を削除します。以下のコマンドを実行することで削除ができます。
PS C:\Users\remylog> wsl --unregister [仮想環境名]
↓例↓
PS C:\Users\remylog> wsl --unregister snap_ubuntu
これで削除ができました。
Ubuntuのリセット
最初に作成される仮想環境(スナップから作成したものは含まれない)をリセットする方法を紹介します。
「設定」を開き「アプリ」→「インストールされているアプリ」の順で開きます。
検索欄に「Ubuntu」と検索して横三点をクリックします。
「詳細オプション」をクリックします。
最後にリセットをクリックします。
これで完了です。
Ubuntuを起動するとユーザーとパスワードを登録するところからスタートします。
まとめ
この記事では、WSL2の導入から便利なコマンドの使い方までを詳しく解説しました。以下のポイントを押さえておきましょう:
- WSL2の導入:Windows PowerShellまたはターミナルを使用して簡単にインストールできます。
- WSL2の使い方:初期設定のやり方を紹介しました。
- 仮想環境の管理:スナップショットから新しい仮想環境を作成したり、不要な仮想環境を削除する方法を紹介しました。
- Ubuntuのリセット:必要に応じてUbuntuの仮想環境をリセットする手順も説明しました。
これらの手順を参考に、WSL2を活用して快適な開発環境を構築してください。
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